乗越たかお氏による MONOLITH応援コメント

舞踊評論家 乗越たかお氏から、公演MONOLITHへ応援のコメントをいただきました。

皆様にもお読みいただけるように、こちらに掲載させていただきます。


 オレが次なるダンスの鉱脈と考えているものが二つある。ひとつはストリートダンス、もうひとつがサーカスである。後者は「ヌーヴォー・シルク(「新しいサーカス」という意味)」「アート・サーカス」などといわれ、「高い美術的なセンスと、それに屹立する強靱な身体性」が要求される。海外ではすでにダンスフェスティバルのメインを張るカンパニーも多く、そのいくつかは来日して人気を博している。だが日本のジャグリングは技術の高さのわりに、この方向に弱い。技自慢の欲求から逃れられないからだ。

 しかしそんな壁をするりと越えていけそうな可能性を感じさせるのが、この渡邉尚と山村佑理の二人である。なんの変哲もないお手玉を使うが、球が宙を舞うことはほとんどない。置いて、掴んで、置く。だが球と空気と身体の関係を有機的に紡いでいく様は驚異的で、目が離せないのである。まさにダンス。

 高いボディ・コントロールの技術を幾重にも畳んで表現の糧として構成していく能力とセンスはこれまでなかった。ダンスの横っ腹を突き抜けていく切っ先として、期待するところ大である。

 まずは、鉱脈を征く者を見てくれ。

   作家・ヤサぐれ舞踊評論家 乗越たかお