大島幹雄氏 渡邉尚のパフォーマンスを見て

サーカス・プロモーターとしてサーカスに関する著書を数多く執筆する大島幹雄氏より、

2015年7月3日、MIRROR BALL CIRCUSに出演していた渡邉尚の演技を見ての

感想と応援のコメントをいただきました。


 今年七月に見た『ミラーボールサーカス』は、音楽あり、踊りあり、パフォーマンスありの楽しいショーだった。その中で一番驚いたのは、津軽三味線をバックに演じられたジャグリングだった。上半身裸でスキンヘッドのパフォーマーの動きは、ほとんど暗黒舞踏。最初は日本を代表するロービングパフォーマーun-paこと重森一が、ジャグリングを始めたのかと思ったぐらい、体つきやしぐさが重なって見えた。重森一がplanBコメディナイトでデビューしたとき、舞台の上で飛び跳ね、さらにはその身体を舞台に叩き続けたあの圧倒的存在感が蘇ってきた。

 公演が終わって、プロデューサーの安田君にすぐにこのジャグラーが誰なのかを聞いた。渡邉尚という関西のジャグラーとのことだった。日本のジャグリングはいまや世界ブランド、ジャグラーたちは世界を舞台に活躍しているが、またとんでもないジャグラーがいたものである。なにより面白かったのは他のジャグラーがボールとかクラブとかシガーボックスという物体をいかにしてうまく扱い、そしてそれをいかにきれいに見せるかに重点をおいているのに対して、彼は発想の根本的な違いとでもいうのだろうか、ボールによっていかに身体を動かすのかということに重点をおいていることだった。それによりボールと身体が奏でる不思議な時空間ができあがった。ボールによって身体が操られているという錯覚に陥った。これがなによりも惹きつけられたところだった。

 今度の公演で渡邉尚がつくりだす世界をたっぷりと堪能したいと思っている。

   大島幹雄