西野順二氏 渡邉尚とMONOLITHについて

日本ジャグリング協会につとめ、フェスティバルの運営や協会発行のジャグリング雑誌

Shall We Juggle?」の編集などに携わる西野順二氏。

自らをジャグリング学研究家と名乗り、日本のジャグリングを影から支える氏より

渡邉尚、そしてMONOLITHへ向けてコメントをいただきました。


 こんなやつみたことない

 みんなそろそろ気がついていると思うけれど、渡邉尚はジャグラーでもダンサーでもない。そうではなくて、僕らとは違う世界、ボールのある世界の見たことのない生き物である。

 僕らは食べ物を食べる。そのために手を使えるように進化した。そして箸やフォークを使えるようになった。彼は同じくボールと生きていくための身体や技を持っている。それは身につけただけではなく、環境に適応した種族となるための何世代にも渡る進化が必要で、それをたった一人で終わらせてしまったのだ。たった一人で、僕らの世界とは異なるボールの世界で進化して暮らしている。食べ物を食べるようにボールと暮らしている。彼を見るのはつまり、彼を通して、僕らと違う世界を覗く稀有なそして贅沢な体験なのである。

 殖えないことは一世代の進化種族の悲しみだ。と、思っていたら、突如として単為生殖のごとく細胞分裂してしまった。無敵だ。僕らは幸運にもその殖えたさまをMONOLITHで見ることができる。

西野順二
ジャグリング学研究家